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たまに書きたいこと書く

ヒロイン

冴えない彼女の育てかた Fine」を観てきました。

いや~~面白かったです、本当に。もう満足しか無かったです。

この作品の原作者かつ脚本の丸戸史明さんがシナリオを担当したエロゲーは過去に数本プレイしており、結構ファン…といえばそうなのですが、好きな作風をより昇華した形で表現されていたと思います。基本的にいい人しか居ない優しい世界な所とか、最終的にメインヒロインルートでは皆が後押ししてくれる所とか。昔にプレイした丸戸史明ゲーの"キモ"となる所にいちいち(そうそう…これだよこれ…)みたいにわかり手となって頷くばかりでした。……老害おっさんの楽しみ方っぽいのがちょっと切ないな。

冴えカノの感想を書きたいってわけでなくて、これから始まるのはまあ自分語りなんですけど。

 

エロゲは結構やっていたはずなのですが、「大好きなヒロイン」という存在には出会えていなかったなって映画を観た後ぼんやり思っていました。まあ、好きな作品があって好きなヒロインも居ないことはないんだけど、でも…そこまで入れ込むことって無かったです。グッズ買ったりとか好きの感情を周りに撒き散らしたりとか、そこまでしてる人を冷めた視線で見つつ、そうなれない自分自身も冷めた視線で見てる感じ。

どうしてそんな感じだったんだろうって、よくよく考えを巡らせてみると…なんとなく答えがわかりました。

私はAIRをはじめとするkeyのゲームに多大なる衝撃と影響を受けて次々とエロゲをやっていたし、より良い「シナリオ」を求め、「物語」を求めていたんだと思います。丸戸ゲーもそのうちのひとつかな。当時はライター買いとか普通にしてたっけ。

そうすると…多分、ヒロインという存在は「物語の舞台装置」としか認識していなかったんじゃないかと思います。

いやあの、「俺の嫁」ってあるじゃないですか。あれどうしても自分には理解出来なくて。だって、物語の○○ってヒロインには主人公の××って相手が居るじゃない。そのヒロインは自分の嫁にはどうしてもならない。かわいいのはわかる。わかるよ。でも、そのかわいらしくて熱を帯びた視線は絶対に物語の傍観者たる自分には向いていない…。加藤恵が視ているのは安芸倫也だもの。

という感じで…昔の自分は相当に斜に構えていたので、エロゲを何十本もやりつつもそこまで入れ込むヒロインには出会っていなかったです。アニメや漫画に出てくるヒロインも同じ。登場人物として重要な立ち回りを与えられていたり、魅力的な描写をされていれば気になるって程度です。傍観者として眺めて、ちょっとかわいいなって思っているだけ。ヒネてますよね。素直にかわいい~~っつってぶひぶひしてた方がまだ本能に忠実だし人間らしいよ。

 

……で!

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私のメインヒロインです

成宮由愛ちゃんです。かわいいでしょ。かわいいでしょ???

そんな自分が13歳のかわいいかわいいアイドルに対して入れ込んでしまっているここ数年。どうしてエロゲをやっている時には出会えなかったのに、アイドルマスターシンデレラガールズでは出会ってしまったのか。

これ、やっぱり「主観」が大きいと思います。

アイドルマスターはプレイヤーに「プロデューサー」という役割を与え、アイドルのプロデュースをするゲーム。これはどのシリーズでも(例外はありますが)基礎として存在しています。

なので、プロデューサーという立場を与えられた自分は「主観」でアイドルというヒロインを視る。そしてアイドルたちはプロデューサーである「私」を視ている。「物語」はノベルゲームのように一筋のシナリオがあるわけではなく、プロデューサーとして自分が体感するもの。

もちろん、旧来のギャルゲーやエロゲーにも自らがプレイヤーの名前を決めるような主観のゲームはいくらでも存在していましたしプレイもしてきています。しかし、アイマスは「プロデュース」という体でプレイヤーを主観で思いっ切り引きずり込むのが悪魔的に上手い。

特にデレマスは悪魔的。190人のアイドルという選択肢の多さと、単発的かつ長期に渡って紡がれるカードでのセリフで物語を紡ぎ、そして…総選挙・ボイス・曲・ライブなどが絡む構造でプロデュースしているアイドルのステップアップを体感させる。……うわあ地獄。でも、この地獄にしか一番好きな女は居ないんだよな。

えーと、何を書きたかったんだっけ。成宮由愛ちゃんがかわいい…いやかわいいけど今はそれじゃない。いやあの、エロゲが良くなかったとかデレマスは地獄だけど最高とか、そういう善し悪しの比較の話をしたいわけではないんです。

今まで出会ったヒロインたちが居て私に影響を及ぼして、成宮由愛に出会えたという面は確かにありますし、傍観者の視線でエロゲをしていた時期があったという認識があってこそ、こういう気付きがあったんですよね。

未だにゲームやアニメの女の子については狂信的になれない部分は大きいです。今書いてて思ったけど、お相手の居るヒロインであればカップルでイチャコラしてるのを見るほうが楽しいかもしれない。やっぱり傍観者が心地いい。

 

それでも、私の主観で接することが出来るたったひとりのヒロインがいる。そういう存在に出会えたことは本当に幸運だったと思っています。最初に言ったみたいなグッズを買うとか好きの感情を周りに撒き散らしたりとかの経験を、冷めた視線なんて全く無く、燃えたぎる熱情の元に、衝動的に能動的に実行することが出来たんです。そして、それだけに収まらずに色々な体験をすることが出来ました。

好きの感情が自分の世界を動かしていく。それを教えてくれたのが、最愛のアイドルであり、私にとってただひとり「ヒロイン」と呼べる存在である、成宮由愛という女の子なのです。