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たまに書きたいこと書く

ショコラ・ティアラ -misshe's Bitter Sweet Electro Remix- / misshe (dream sketcher)

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"その艶やかな姿は、ほろ苦く甘い上質なショコラのよう。"

ショコラ・ティアラ -misshe's Bitter Sweet Electro Remix- / Remixed by misshe (dream sketcher)

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曲作りにおいていつかやりたかったことのひとつに、アイマス曲のリミックスがあった。

クラブミュージックの文脈で正しく表現するならBootlegだろうか。非公式の勝手リミックス。まあ、アレをコレしてボーカルトラックを拝借しているので褒められた行為ではない。なので怒られたら取り下げます。

それでもやりたかったのは、過去にこういったリミックスを沢山聴いてきたから、という影響がある。

アイマスにハマりたての頃は当然のようにニコマスもよく見ていたし、その中でこういったクラブミュージック系のアイマスRemixもチェックしていた。そもそもがビートマニアの影響でクラブミュージックが好きであったし、アイマス曲がこういったサウンドに昇華されていることに素晴らしさを感じていた。

その当時も少しはDTMをしていて、こういったリミックスにチャレンジしていたが、まあ、上手く出来なかったんですよね。何曲か挫折した形跡がPCに眠っている。

 

今回選んだのは「ショコラ・ティアラ」。CINDERELLA MASTER第1弾でリリースされた、三村かな子のソロ曲である。原曲は4つ打ちノリで生音系の楽器主体でアレンジが組まれており、爽やかさとちょっとした"もったり感"が共存するとても良い曲である。まあこれ、今更私が言うまでもないんですけど。

これはがっつり4つ打ちのエレクトロポップ系にしたらいいんじゃないかな、というビジョンが浮かび、サビあたりのコード進行を考える所から作っていった。

4つ打ちのエレクトロ、で私が真っ先に思い浮かべるのは中田ヤスタカだった。CAPSULEの音楽が昔から大好きだったし、いつの時代も鮮烈なサウンドを提示してくれる中田ヤスタカのことは天才だと思って崇めている節もある。中期CAPSULEのようなサウンドをイメージしつつ、あとは渋めで落ち着いた展開を…というのが方針だったと思う。

Eternity

Eternity

  • CAPSULE
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サビ部分はEternity / CAPSULEをリファレンスとしていて、シンセのバッキングフレーズなんかはもう、言い逃れが出来ないレベルで影響を受けてしまっている。

あとは、制作中にSynthwaveやシティポップ系の曲をよく聴いていたので、2番サビ後の間奏は思いっ切り影響されてしまった感じがある。コードにProphet Vの音色がよくハマってくれたのでよかった。

 

完成に至るまではかなりの時間を要している。そもそも、最初にサビ部分のコード進行を考えた時のファイルのタイムスタンプが2017年だし、今年に入ってから真面目に取り組んで完成までに4ヶ月ほどである。

途中で煮詰まってしまった時もあり、これは完成しないかも……と思っていたし、こういうことを思う時は大抵完成しないのだが、なんとか乗り越えたいという気持ちが強かった。当たり前のことだけど、「完成させる」ことでしか上達は成し得ない。これを理解しているからこそ絶対完成させたいと意地になっていた。

「完成させる」ことは難しい。どこで終わらせるか、どこで自分のOKを出すか。趣味の作曲だから締切もない作業だし、理想とする完成像を思うと、まだまだ足りていないといつも思っている。でも、長く作業を続けてクオリティが上がるかといえば、そんなことはないし。

その時のとりあえずの精一杯で完成させて、また次の完成を目指す。それを繰り返して繰り返して。地道に進んで行くしかない。……だけど、もうちょっと完成品を作るペースを上げたいなあ。

feelings filament / misshe

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"ほつれ、絡まり、ほどけて、結ばれる感情のフィラメント。"

feelings filament / misshe

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私には「曲名ストック」というものがある。

なんのことはない。いい感じの曲名を思いついてストックとして保存しているものである。妄想でのみ存在する曲に曲名を付けているのだ。こういうジャンルでこういう展開の曲を作りたいな……そして曲名は、こんな感じがかっこいい!という妄想。

そこから曲を実際に作ることは、まあ……あまりない。なかった。これは私の悪癖である。まあ、こういったイマジナリー楽曲を脳内で作ることもそこそこ楽しいんだけれども。

今回の"feelings filament"は、この曲名ストックから持ってきた曲名である。で、今回音楽として具現化をしている。

……えー、もう少し説明をします。以前に"emotions edge"という曲を作っていたのだけど、これを作った後に続編・同世界観の曲を作るなら……ということで妄想を膨らませ、ストックした曲名が"feelings filament"である。ほら、emotionsとfeelingsで感情つながりで。当時の自分は上手いこと続編(の曲名)を作ったぞ!と思っていたことだろう。今でこそ痛々しいと思ってしまうが、きっと本気だったはずだ。

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今回、この"feelings filament"という曲名を引っ張ってきたのは、なんとなく作れるんじゃないかと思ったから、ただそれだけだった。

昔よりは音楽の制作にも慣れたし、頭の中で想像した完成像に少しずつ近付くことも出来てきている。だったら、今なら、あの時妄想した楽曲を具現化出来るんじゃないか……?

emotions edgeを作った時のことを思い出し、過去の自分との対話を試みてみる。あの時は仕事を辞めて無職だったっけ、そんな時の尖った心が荒削りな曲に現れている気がする…など色々と考えたが、最終的に好き勝手に自分のやりたいように自由に作っていたんだろうな…ということを強く感じた。音楽がそれを物語っていた……ように思えた。

だったら、続編というよりはある程度路線は継承しつつ、自由に作ったらいいんじゃないか。

 

自分の為に、自分の作りたい音楽を好きに作ってみよう。

 

そうした結果、あらゆる面で手癖まみれの自分らしい楽曲に仕上がったように思う。4つ打ちのビートにアルペジオのフレーズを延々と繰り返しつつ好きなコード感で徐々に展開していき、終盤には派手めのシンセで盛り上げて終了!うーん、実にわかりやすい。わかりやすく自分が好きな曲だ。

今までに触れてきた音楽で好きな曲が山ほどあり、そこから数多の影響を受けた「好き」の要素を少しずつ自分の音楽に取り込んでいく。そうして出来た曲は、少なくとも自分にとっては「好き」を集めて作った最高のものだ。もちろん、プロが制作した楽曲と比べるとクオリティに大きな差があることは承知している。ナルシズムや自惚れと取られてしまっても構わない。だって自分の曲、好きなんだもの。

そもそも、自分が自信を持って好きと言えない曲を、他人に好きと言ってもらえるのだろうか。自分の曲はまず自分が好きでいることは間違いではないと私は思う。

この「好き」が他者に伝わるのであれば、こんなに幸せなことはない……のだが、この道を歩き始めたばかりの私には、それは遥か遠い場所なのだと思っている。伝える努力も足りていないだろう。それでもいつか、その場所へ行きたいという想いを胸に、まずは自分が好きな曲を作るところから始めたい。

 

growing days / misshe (dream sketcher)

 

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"growing days / misshe (dream sketcher)"

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9月頃。今年も由愛ちゃんの誕生日に曲を作ろうと思い、何をモチーフにするかを考えていた。

去年はデレステSSR[色とりどりのゆめ]をモチーフとしていた。その年で一番印象的だった由愛ちゃんのお仕事がデレステでの初SSR化だったからだ。特訓前の今までの仕事を回顧しつつもまっすぐこちらを見つめる姿から、過去と現在と未来を鮮やかな色で繋ぐような曲を作りたかった。そういったイメージから"vivid days"という曲を作った。

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今年はどうだろう。何が印象的だった?そう考えると2つ浮かんでくる。ひとつはモバマスでのドリフェス上位報酬SRの[ウォーミングスノー]だ。ただ、これに関してはもうやっちゃっていた。特訓後のカードから静かに雪が降り積もった後に注ぐ暖かな光のようなイメージが湧き、"silent snowfall"という曲を作っていた。

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ふたつめはデレステの「ススメ!シンデレラロード」で登場したSR[伸び盛りの景色]だ。由愛ちゃんが仲間のアイドルたちや訪れた町の人々の力を借りて仕事を成功させるという最高のストーリーがあり、由愛ちゃん自身の過去を振り返るようなエモ要素なんかもあり、"伸び盛り"が冠された名前に相応しいカードとお話が実装されている。

よし、これしかない。伸び盛りな今の由愛ちゃんにぴったりなイメージの曲を作ろう。爽やかで明るい、希望に溢れるような方向のサウンドにしたいな。伸び盛り…成長中…growing…前がvivid daysだったから、じゃあ曲名はgrowing daysにしよう!と、方向性と曲名だけは一瞬で決まった。

しかし、いざ曲を作り始めると案の定というか上手く作れずにボツを繰り返していた。根本的に明るい曲作るの苦手なんですよね。だけど、由愛ちゃんを想うからこそ明るい曲を作ろうと思えるのであり実際完成にまで至っているので、不思議と力が湧くような感覚がある。いや、正直なところ完成した曲を冷静に聴くとなんだか自分で作った感じがしないのだ。由愛ちゃんという存在が自分の力を引き出してくれている。盲信的すぎるかもだけど、そう思わずにはいられない。

 

「私の世界を伝える術を…教えてくれたから…。ありがとうございます」

そもそも、以前の私は人前で曲を発表するような人間ではなかった。描いた絵を見せるのを恥ずかしがり恐れていた昔の由愛ちゃんのような感情もあったし、他者の評価が要らないとも思っていた。自分が満足出来る曲をたまに作れればいい。それだけの創作をしていた。

しかし、成宮由愛という女の子に出会い、様々な姿に触れることで私は変わっていった。彼女の魅力を発信しようと行動していたし、それが自分なりの外に向けての表現だと気付いた。そして、発信したものに対して他者が介在することでより力を増すことがあるということも知った。

私は由愛ちゃんから"私の世界を伝える術"を教えてもらったのだ。そう気付かされたのが、上で挙げた由愛ちゃんの言葉だった。違う、違うんだ、自分が由愛ちゃんにもらったものがそれなんだ…ありがとうを言わなければいけないのは自分の方なんだ。

そして、以前よりは真面目に曲を作ろうと向き合う時間が増えた。自分の表現を諦めないことで由愛ちゃんにもらったものを返していこうと思ったし、アイドルとして進んでいく由愛ちゃんに追いつきたい、負けたくない…というような気持ちもある。

成宮由愛というアイドルは私にとって担当アイドルで、同時に恩人でもあり、目標でもある。

こうやって由愛ちゃんの誕生日に曲を作ることは、私なりのありがとうの気持ちだ。私と出会ってくれて、大事なことを教えてくれて本当にありがとう。拙い音楽ではあるが、私の想いをこの曲に託し、君へ届けたい。

…で、あわよくばこの曲が誰かに聴かれ好かれることも以前よりは望んでいる。そういう気持ちもあるので、由愛ちゃんのお誕生日を体よく利用してしまっているとも言えるかもしれない。…前段まででキメて止めておけばよかったのに割と台無しであるが、表現を他者に伝えたい気持ちも由愛ちゃんから教えてもらったことなので、まあ許してほしいという感じです、はい。

 

昔と比べるとシンデレラガールズへの熱も落ち着いてしまい、由愛ちゃんのPとして何かが出来ているかと言われると全然出来なくなってしまっている現状がある。ただ、もうすぐ由愛ちゃんの誕生日だぞっと思うことで動く自分が居て、種火のような炎が徐々に燃え盛るように曲が完成していくことに少し安心する感覚もあったりする。昔と同じではないかもしれないけど、確かに内にある炎は大事にしたいし、ここぞという時にはガンガン油を注いで心を大炎上させていきたいものだと思っている。

そんなわけで、growing daysという曲が出来ました。という話。

 

最後に、自分が言いたいだけの小ネタ。vivid daysからのgrowing daysということで、サビで3/4拍子から4/4拍子へシフトする展開であったり、(少し調整してはいるが)音色をいくつか使いまわしたりと継承曲としての立ち位置も意識している。あと、今回BPMは150に設定したがこれは由愛ちゃんの身長から拝借している。U149プラス1なんですよ、由愛ちゃんの身長。これ覚えて帰ってくださいね。(150が一番しっくり来たとだけというのは黙っておこう)

silent snowfall / misshe (dream sketcher)

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"あなたと私が見る、ゆめいろの景色。"

silent snowfall / misshe (dream sketcher)

 

ここまで雪の降らない冬はなかった。

長野県はスキーリゾートも多い降雪地帯である。私が住む盆地部においても年数回は雪が積もるのだが、ここ数年はめっきりドカ雪は無くなってしまった。そして、いよいよ今シーズンは雪が舞うことはあっても多く積もることは無かった。異常気象である。

そんな雪の降らない冬に降った、私にとっての雪。それは成宮由愛ちゃんだった。

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か、かわいい~~~!!!

この曲は、[ウォーミングスノー]成宮由愛+から着想を得ている。右の白を基調としたローブのような衣装を纏った特訓後の姿である。かわいいね。もちろん、特訓前のサモエドと戯れる姿も年相応の幼さが見える笑顔が眩しく、かわいい。

死闘を繰り広げたドリームLIVEフェスティバルが無事終わり、新しい由愛ちゃんの姿を見て、雪っぽい曲が作りたいなあ…とふと思ったのだ。そこから曲の構想を練っていった。

雪が積もる地域の方にはわかってもらえると思うが、積雪で真っ白な世界に注ぐ朝の日差しはとても眩しい。雪で周りが真っ白なので、光が反射して目が眩む。でも、雪が積もることでしか味わえないそんな朝が結構好きではある。めっちゃ眩しいけど。

そんな情景を頭に思い浮かべつつ、雪が静かに降り積もる前半部と、暖かな光が降り注ぐ後半部で構成したいな…というイメージを明確にしていった。

なので、"silent snowfall"という曲名は前半部のイメージから来ている。まんまですね。

 

"光"。これは最も重要なキーワードだった。

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このカード、由愛ちゃんの瞳を見てほしい。自分はこの瞳がこのカードにおける最も特徴的な部分だと思っている。見上げる構図だからというのもあるが、由愛ちゃんの深いブラウンの瞳がこんなにも明るく映るということに私は釘付けになってしまった。まあ、SSRの色とりどりのゆめも瞳は明るいけど…とにかく、瞳が印象的だった。

このカードを見ながら、上で述べたように雪の後は眩しい光が降り注ぐことを私は思い出したのだ。そして、ああ…この瞳の輝きは、"光"なんだな…由愛ちゃんは今、光を見据えている…と思わずにはいられなかった。

そういう思いもあって、これからの彼女が光へと向かうよう願いを込めて後半は"光"を感じるような展開を目指したが…うーん、どうだろう。自分ではいい感じになったと思う。

 

サウンド的にはACIDMANインストゥルメンタル曲をかなり意識している。


ACIDMAN - 風追い人(前編)


ACIDMAN - THE LIGHT~赤色群像・ベガの呼応・EVERGREEN~

上記の「風追い人」やTHE LIGHT3部作最後の「EVERGREEN」、あとはPVは無かったが「真っ白な夜に」などをリファレンスとしている。(正直、ACIDMANファンに怒られないか心配…。)

リフを繰り返して重ねて、繰り返して重ねて…重厚で深淵なる世界を演奏だけで作っていく感じが大好きで、私もフレーズを徐々に重ねていくことで雪が降り積もっていくような曲を作りたかった。

まあ打ち込みでやっているので、生音を模した方向に行くのは技量的に自信が無く、もう少しエレクトロニカっぽい方向に寄せていくことで納得のいく形になった。サウンドの感触は違ったものに仕上がったのではないかと思う。

 

由愛ちゃんから貰ったイメージと、私がやりたかったサウンド、両方をうまく具現化出来たのでお気に入りの曲になった。曲を作っていく時、どうしても最初に思い描いていた完成像と実際の完成がズレてしまうことがあるのだが、この曲ではそれが無かった。思い描いた完成像に限りなく近いものが出来上がった。ミックスなどで甘い部分が多いのは承知しているが、よく出来たと思っている。

わたしにとっての今年の雪はとても美しく、暖かな光と共に在った。

由愛ちゃん、ありがとう。